カイロプラクターになる動機は人それぞれである。しかし、カイロプラクティックが好きでカイロプラクターになるという人はいないだろう。なぜならば、カイロプラクティックが好きになるのはカイロプラクターになってしばらく経ってからだからだ。
「好きなことを仕事にする」というのは、理想的に聞こえるが、現実にはそのようなことは起こらないのである。
カイロプラクターとして何年、何十年と患者を診ていると徐々にカイロプラクティックの楽しさ、面白さを実感してくる。それが、カイロプラクティックを好きになったタイミングである。従って、「好き」は最初には来ないのだ。
しかし、残念ながら全てのカイロプラクターが一生をカイロプラクターとして全うするわけではない。カイロプラクターの中には数年でその道をあきらめて他の職業についている者もいる。
そのような人たちは、「好きを仕事にできなかった」ということだ。もう少し正確な表現を使えば、「カイロプラクティックを好きになれなかった」ということである。
それでは、どうしてカイロプラクティックを好きになれなかったのだろうか。様々な要因があるが、その内の一つは創意工夫ができなかったことだ。
いくつものケースを診ていれば、1回の治療で自覚症状が消失してしまうこともあれば、何回治療してもなかなか改善しない場合もある。
うまくいかない時、創意工夫を重ね克服するという作業は、脳みそにとっては大きな負荷だ。つまり、それなりにストレスがかかっている状態となる。
しかし、このような創意工夫(試行錯誤)に楽しみを見出せるかどうかで、カイロプラクティックを好きになれるかどうかが決まってくる。
もし、それが「楽しい」と感じられたら、「好きが仕事」になっている状態だ。おそらくあなたは一生をカイロプラクターとして全うするだろう。
好きなことを仕事にするのではなく、最終的に好きなことが仕事になるのが理想なのだ。