カイロプラクティックの国家資格
カイロプラクティックには国家資格はありません。過去に何度か法制化の動きがありましたが、未だ実現していません。
従って、日本でカイロプラクターと名乗っている人たちの多くは、卒業したカイロプラクティック学校が発行した民間資格になります。
しかし、日本では明確なカイロプラクティックの教育水準が規定されていませんので、資格がなくてもカイロプラクティックを生業にできるのが現状です。これは、とても憂うべき状況と言えます。
このような理由から、日本のカイロプラクティック業界は玉石混交となっています。米国のカイロプラクティック学校を卒業し、州ライセンスを取得したドクターオブカイロプラクティック(Doctor of Chiropractic)もいれば、中にはセミナーを数時間受講しただけの即席カイロプラクターもいます。
俄かカイロプラクターの危険度
もっとも憂慮すべきことは、そのような事情を知らずにカイロプラクティック治療を受診する患者の人たちです。
カイロプラクターとして最低限の教育を受けてない場合、患者の症状を増悪させてしまう可能性もあるからです。
特にカイロプラクティックの禁忌症状(癌、大動脈瘤、その他の内臓疾患など)を持ったケースでは、カイロプラクティック治療により致命的な状態にさせてしまうこともあります。
カイロプラクティック学校の教育水準
日本にはカイロプラクティックを学べる学校(専門学校)が、たくさん存在します。しかし、国家資格でないが故に、カイロプラクティック学校の教育水準は各学校の裁量に任されています。
自由度が大きいと言えば聞こえは良いですが、多くのカイロプラクティック学校でそれが悪い方に作用しているように思われます。
例えば、あるカイロプラクティック学校は、今まで2年制だったものを1年制にグレードダウンしています。当然ながら履修科目は減らさざるをおえないでしょう。
徒手療法大学の教育水準
徒手療法大学の履修科目については、以下のページをご参照ください。
カイロプラクターとなるためには必須の科目です。担当の講師が各科目の講義資料を作成し、それをもとに動画による講義を行っています。
もっとも注力している点は、全ての科目において治療に活かせるような伝え方の工夫をしていることです。
私たちは解剖学や運動学の研究者になるわけではありません。それらの知識を使ってカイロプラクティック治療に活かすことができなければ、カイロプラクターとして患者の症状を改善させることはできません。
従って、座学では「単なる知識の伝達」にならないように配慮されています。極力、臨床へ活かされるような「生きた知識の伝達」を心がけています。
日本におけるカイロプラクティックは未だ法制化されておらず、国家資格も存在しないため、業界には多様な教育背景を持つカイロプラクターが存在しています。
この現状は、患者にとって潜在的なリスクを伴うことがあります。多くのカイロプラクティック学校がそれぞれ異なる教育水準に基づいて運営されているため、信頼できるカイロプラクターを見つけることが重要です。