カイロプラクターにとって大切な技術の一つが触診力である。
触診力とは患者の身体(関節や筋肉など)を触診し、その状態を感触で判断する能力のこと。
それでは、触診力を向上させるために日々実践することについてまとめたいと思う。
まずは患者を触診する際、指先の感覚に意識を留めるよう努めることだ。
触診をしているのに、いつの間にか他の事に思考を巡らせていることがある。これでは、感覚から得られるはずの情報を取りこぼしてしまうだろう。
このような傾向は、マルチタスクの癖がある人に多い。いわゆるながら族である。たとえば、食事をしながらテレビやスマホを見るのがそれに該当する。歩きスマホをも同様である。
普段からマルチタスクをしていると、集中力は低下する。なぜなら、1つの物事に意識を留めることができず、集中力が分散してしまうからだ。またあるリサーチによれば、マルチタスクはIQを低下させることもわかっている。
2つ目は普段から自分の身体感覚に敏感になることである。
具体的には、身体を動かしている時(徒歩、ジョギング、自転車、筋トレなど)、身体に生じている感覚に意識を留める訓練をすると良い。
例えば、歩ている時の足の裏の感覚や、左右の脚の関節の動きなどに意識を留め観察するのである。
普段からこのような訓練を積み重ねることで、感覚はどんどん研ぎ澄まされていく。そして、より微細な感覚をもピックアップすることができるようになるだろう。
最後に感情のコントロールをすること。別の表現を使えば平常心を保つことだ。
我々カイロプラクターにとって大切なのは、触診で得られた感覚を基に状態を分析することである。
その際に必要なのが感情のコントロールである。感情を除外することで、より客観的な判断をすることが可能になる。
これも普段からのトレーニングは必須だ。そのためには、自分の感情(心の状態)に気づくことから始める必要がある。なぜなら、感情に気づけなければ修正することもできないからである。
従って、普段から心の中でどのような感情(いらだち、焦り、怒り、悲しみ、落ち込み等々)が生じているのか観察・分析するようにすると良い。
以上が触診力を上げるため日々実践できることである。以下にまとめておく。
- 触診の際、指先の感覚に意識を留める習慣を身に付ける
- 身体感覚を観察する習慣を身に付ける
- 心の中に生じている感情を観察する習慣を身に付ける