痛みの原因構造は1つに特定することはできないが、優先度を判断することはできる。
つまり、その痛みにもっとも影響しているであろう構造を推測するのである。
その際に必要なのが論理的思考である。
そして、論理的思考のベースとなるのが、解剖学や運動学などの基礎医学の知識だ。
しかし、そのような論理的思考をすっ飛ばして優先度を決めることもある。
カイロプラクターに必須の能力の1つに直感力がある。
直感力とは「動物的なカン」みたいなものだ。
従って、そこには論理的思考は関与していない。
何となく「その選択が正しい」と感じるだけである。
直感力は先天的に備わっている能力ではなく、育てることができる。
直感力を育てるために必要なポイントは2つある。
1つは経験値を上げること。
カイロプラクターであれば、たくさんの臨床経験を積むことだ。
ただし、その際に常に論理的思考を心がけること。
自分の意図を常に意識するのだ。
2つ目は心を出来る限り静謐に維持すること。
感情などの雑音が入っている状態では、直感力は現れてこない。
治療中は論理的思考を心がけるとともに、心の静謐性を維持することが直感力を磨くことにつながるのだ。