AKT(関節運動学的テクニック)
AKTはArthro-Kinesiological Techniqueの略です。Arthroとは関節、Kinesiologicalは運動学のことです。つまりAKTとは関節運動学的テクニックのことになります。本校の学長である榊原直樹, DC, DACBSP, PhDのオリジナルテクニックであり、徒手療法大学でのみ学ぶことができる治療テクニックです。
このテクニックの特徴はは以下の通りになります。
- 自動的運動を利用したアジャスメントテクニック
- カップリングモーションを考慮したスラスト
従来のアジャスメントテクニックでは、患者さんは静止位で行いますが、AKTでは患者さんに関節を動かしてもらいながら(自動的運動)アジャスメントを行います。
症状の多くは「前かがみになると腰が痛い」「腕を上げると肩が痛い」などのように自動的運動に伴い痛み(動作痛)が現れる場合が多いです。このテクニックがもっとも効力を発揮するのは、このような動作痛の改善に対してです。
スラストの方向は科学性を重視します。最新のリサーチを基に各関節の運動の特徴を把握し、それに基づいて検査・診断・治療(アジャスメント)を行っていきます。
まずは関節運動学の理論について十分に理解していただいた上で、次に実践(検査法、治療法)について実技を交えて解説していきます。
さらに、関節の運動障害に関連する筋肉や神経の問題にも焦点を当て、具体的な症状を例に実際の治療プロトコールもご紹介します。
また、各関節に対するテーピング法、治療院で行う運動プログラム、ホームエクササイズの処方、各疾患の改善に必要な栄養処方など、症状改善のための統合的療法について勉強していきます。
部位 | 実習内容 |
頸椎、顎関節 | 環椎後頭関節、環軸関節、環椎の他動性、環椎のパラドックス、椎間関節、カップリングモーション、椎間板、瞬間回転中心、椎間関節の機能障害、関節円板(顎関節)のアジャスメント、寝違え・頚部痛・顎関節症への筋骨格神経系アプローチ法 |
胸椎、肋骨 | 関節運動学、カップリングモーション、第1肋骨のアジャスメント、肋骨のアジャスメント(座位)、呼吸と胸郭の運動、AKTテーピング、腹大動脈のマニピュレーション |
腰椎、仙腸関節 | 関節運動学、カップリングモーション、椎間関節症候群、椎間板ヘルニア、恥骨結合炎、坐骨神経痛への筋骨格神経系アプローチ法、側臥位における神経根への関節運動学的アプローチ、AKTテーピング |
肩関節 | 肩甲上腕関節、肩甲上腕リズム、カップリングモーション、肩関節内旋可動域制限(GIRD)、インピンジメント症候群、胸鎖関節、胸鎖関節、肩甲胸郭関節、SICK肩甲骨症候群、デッドアーム症候群、肩甲骨の過剰内旋、インピンジメント症候群への筋骨格神経系アプローチ法、上腕骨頭前方滑り症候群の運動処方 |
肘関節 | 関節運動学、後外方回旋不安定性、骨間膜の機能、グリップとUlnar variance、橈骨頭の関節運動学、外側上顆炎の筋骨格神経系アプローチ法、AKTテーピング |
手関節 | 関節運動学、ダーツスローモーション、橈骨手根関節、遠位橈尺関節、三角線維軟骨複合体、MP関節、IP関節、指節間関節、母指の運動 |
股関節 | 関節運動学、股関節インピンジメント症候群、変形性股関節症、大腿骨頭前方滑り症候群、運動連鎖、変形性関節症の筋骨格神経系アプローチ法、運動処方 |
膝関節 | 大腿脛骨関節、スクリューホームメカニズム、副次的運動、変形性膝関節症、膝蓋大腿関節、膝蓋骨の安定化構造、膝蓋骨のサブラクセーション、半月板の運動学、円盤状半月、近位脛腓関節、AKTテーピング |
足関節 | 距腿関節、距骨下関節、横足根関節、足根中足関節、踵骨、足関節インピンジメント症候群、歩行分析、立方骨症候群、AKTテーピング、運動処方 |