卒後教育

卒後教育は以下の四つのセクションに分かれています。

  1. 筋膜リリーステクニック
  2. 神経リリーステクニック
  3. 関節運動学的テクニック(AKT)
  4. 内臓マニピュレーション

筋膜リリーステクニック、神経リリーステクニック、関節運動学的テクニック(AKT)は履修科目に含まれていますが、卒後教育ではさらに深化させた内容となっています。

卒後教育

筋膜リリーステクニック

筋膜は皮下にある薄い膜の結合組織であり、筋肉、腱、靱帯、神経、内臓の周りを包んでいます。姿勢の維持にとって非常に大切な構造です。

従って、筋膜の異常(硬縮)が起こると、姿勢を正常に保てなくなり不安定感や筋力低下などを引き起こします。また、筋膜は痛みに対して敏感な構造を持っているため、強い痛みが現れます。

筋膜リリーステクニックでは、問題のある部位を手技によって改善させることで、痛みや異常姿勢などの改善を行っていきます。

神経リリーステクニック

脊髄から出た神経は末梢(指先、足先)に伸びていますが、その過程で圧迫(絞扼)されることがあります。

神経が圧迫されると、痺れや痛み、または筋力低下などの症状が引き起こされます。

神経リリーステクニックでは、神経の圧迫部位を特定し、その部位にアプローチすることで、神経起因の症状を改善させることが可能です。

関節運動学的テクニック(AKT)

AKTはArthro-Kinesiological Techniqueの略です。Arthroとは関節、Kinesiologicalは運動学のことです。つまりAKTとは関節運動学的テクニックのことになります。このテクニックの特徴は以下の通りになります。

  1. 自動的運動を利用したアジャスメントテクニック
  2. カップリングモーションを考慮したスラスト

従来のアジャスメントテクニックでは、患者さんは静止位で行いますが、AKTでは患者さんに関節を動かしてもらいながら(自動的運動)アジャスメントを行います。

症状の多くは「前かがみになると腰が痛い」「腕を上げると肩が痛い」などのように自動的運動に伴い痛み(動作痛)が現れる場合が多いです。このテクニックがもっとも効力を発揮するのは、このような動作痛の改善に対してです。

スラストの方向は科学性を重視します。最新のリサーチを基に各関節の運動の特徴を把握し、それに基づいて検査・診断・治療(アジャスメント)を行っていきます。

内臓マニピュレーション

神経や関節への直接的なアプローチでなかなか改善してくれないケースの多くは、もしかしたらそれに関連する内臓に原因があるのかもしれません。

また内臓と自律神経系とは密接な関係があります。従って、不眠や血行障害、浮腫みなどの症状改善にも有効な場合があります。

内臓へのアプローチができるようになると、神経筋骨格系に加え内臓という新たな視点を得ることができます。従って、一つの症状をより多角的・俯瞰的にとらえることができるようになります。